신기루

¥ 2,376 税込

商品コード: 9788957983249

関連カテゴリ

  1. 文芸
  1. 文芸
  2. 小説
数量

『日本語で読みたい韓国の本-おすすめ50選』第6号(2017年発行)より

少女とその母親、そして母親の高校時代の女友達6人の計8人による、6日間のモンゴル旅行の物語。日常生活から離れたモンゴルの広大な空間の中で、娘と母は、時にぶつかり合い,時に静かに自身と家族を見つめ直す。当初『蜃気楼』は、母に随ってモンゴル旅行に出かけた少女が主人公の、短編小説として書かれた。しかし、物足りなさを感じたイ・グミは、母の視点を書き加えて『蜃気楼』を完成させた。『蜃気楼』は、前半部は娘が話者、後半部は母が話者となり、二元的構成で物語が進行する。

日本のK-POP 世代は、児童書を読むほど子どもではなく、本格的な文学を読むほど大人でもない。YA 文学、それも楽しいYA 文学を読みたい読者に紹介したい本が、『蜃気楼』である。見通しが良く、どこまでも明解な文章は、楽しくて読みやすい。さらに、モンゴル旅行という設定は、韓国についての予備知識を必要としない上に、日本を飛び出して視野が広がり、空想が駆け巡る爽快感がある。冒険記としての要素もあり、男の子にもお勧め。YA 文学で、娘と母を話者とする二元的構成が珍しいのは、相乗効果よりも相殺効果の方が大きいためである。反発や葛藤を抱えた親子の関係は、やや重いテーマとなる。そのためYA文学は、親の干渉を排除して、子どもの主体性を中心に据えた物語を好んだ。『蜃気楼』の構成は、YA 文学としては異例なのである。しかし、異例なものが韓国から登場したのは故なきことではない。日本や韓国の家族は、欧米流の個人主義の浸食を受け、持続可能性を失いつつあるが、家族の荒廃は人口問題などではなく、私たち自身の問題である。親子が関わり続けることの大切さに気づいた韓国の文学は、新たな創作に挑む。子どもたちの日々は、大人の視点からはくだらない一喜一憂に見えるかも知れない。大人たちの人生は、子どもから見ると、間延びした退屈なものに見えるかも知れない。それをイ・グミは、見事な対位法で立体的な物語に構成した。

【注意事項】
◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
◆「代金引換」以外の場合、お届け日のご指定は承っておりません。